マイクロエレクトロード用アンプ – MCE100C

一般的に、ミニまたはマイクロ電極による記録は、シールド環境で行うことで最良の性能が得られます。電極の接触面積が小さいほど、シールドの必要性が高まります。MCE100Cは、駆動（電圧フォロワー）シールドまたは接地シールドのオプションを提供します。シールド付きケーブルを使用する場合、電圧フォロワーシールドは電極リードの入力容量を最小限に抑え、周波数応答を拡張するのに役立ちます。一方、接地シールドはフィードバックノイズを最小限に抑えるのに適しており、遠隔シールド（ファラデーケージやスパイラルシールド）を使用する場合に用いられます。

特殊な記録用途向けに、MCE100Cには入力容量補償（0-100 pF）およびクランプ（I-bias）電流のゼロ調整（±100 nA）の手動制御オプションが含まれています。さらに、必要に応じて、MCE100Cは外部電圧制御機能を備えており、制御電圧（100 mV/nA）に比例してクランプ電流を可変にすることができます。

Ion Selective Microelectrode を使用した電位測定を行う場合、Vin+ または Vin- 入力に関連する隣接シールド出力は、Vin+ または Vin- ポートの入力信号のバッファリング出力（ゲイン 1 倍）です。これらのシールド出力を使用して、遠隔の非分極性 Ag/AgCl（indifferent）電極に対する参照電極の電位を測定でき、MCE100C の出力を用いることで、ISM 電極のペア間の差動電位を測定できます（片方の電極が参照電極）。

高精度（誤差 ±10 mV 以下）の参照電圧または差動電圧測定を行う場合は、各測定タイプに対して真の 0 ボルト入力を得るために、アンプのオフセット電圧を補正することが重要です。そのためには、各入力を短絡させて校正を行います。

MP200 の D/A 出力チャンネルを用いることで、この外部電圧制御を駆動し、記録中にクランプ電流を自動的に変更できます。また、MCE100C にはクランプ電流モニター出力が含まれており、クランプ電流を MP200 の別の入力チャンネルで簡単に記録できます。

MCE100C は MP100 システムでも動作しますが、本モジュールの広帯域動作特性を最大限に活かすため、MP200 システムの使用が推奨されます。詳細については BIOPAC にお問い合わせください。

入力容量補償や電流クランプを使用しない一般的な記録用途では、Touchproof ソケットで終端された標準的なシールドまたは非シールド電極リードを使用してください。JUMP100C ジャンパーコネクタを使用して、それぞれの信号ポートを MCE100C の [Vin+] 入力に接続することで、簡単な入力容量補償や電流クランプ制御を追加できます。最高の性能とシールド効果を得るためには、MCEKITC を使用してマイクロ電極リードケーブルを MCE100C に接続してください。

クランプ電流（Current Clamping）は、「I CLMP」ポートを MCE100C の任意の差動入力に接続/切断することで有効/無効にできます。負容量補償（Negative Capacity Compensation）は、「NEG C」ポートを MCE100C の任意の差動入力に接続/切断することで有効/無効にできます。